息をするたび君を好きになる。
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【木中】言葉は見つからない
最初に申し上げておきますが、これは完全に腐向けです。
所謂BLというやつです。
勿論2TOP狂の私ですから・・・・・

運営していたTiny Hugもネット離れのせいでなくなってしまい
リハビリみたいな感じで試作的に書いたものなので
正直うんxみたいなやつです。笑 ←

SS / シリアス / セフレ / ハッピーエンド / 描写はなし

誤字脱字など発見したら加筆修正していきたいと思ってます。
小説をぶつける場所がなくて・・・
こんなところに投下してすみません<(__)>





本当に大丈夫な方だけどうぞ!*





俺たちの関係は所謂セックスフレンドなどという稚拙で簡単なものではない。
もっと奥深く人間の黒い欲望から派生したものなのだと思う。
身体が弾け飛ぶような感覚に陥るあの一瞬まで、俺たちは互いに求め合い貪り合うのだ。
そしてその相手が木村である必要は毛頭なかった。



変わったのはいつ頃だったか。ただ自分の身体を道具のようにしか見ていない人物に愛着を持ってしまったのは。

まだ小さく乱れている呼吸を整えようと煙草に火をつけた。
ベッドの上で、木村は目を閉じている。事を済ませたらさっさと寝るつもりらしい。
渇いた笑いが込み上げてくる。
苦い紫煙が揺れて宙に舞い、消えた。
同じ事を何度か続けた。
八度目を過ぎても木村の寝息が聞こえてくることはなかった。

「なあ木村」
木村に散々啼かされ、声は酷く掠れていた。
「・・・ん?」
「俺、もうお前には会わない」
「・・・関係を終わらせたいってこと?」
木村は落ち着いた様子で俺に言わせようとする。
「ああ」
煙草を落とさないように唇の端をきゅっと締めて、外していた腕時計を再び手首に巻く。それがひんやりと冷たく心地良かった。
「じゃあ、最後にもう一回だけやらせてよ」
「は?」
「なんだよ。俺にはそう言う権利すらないのか?」
「・・・俺はもう木村には抱かれない」
「んじゃ誰に抱かれるって?もう次の相手は見つけてあるってことかよ。用意周到だな」
「おまえのプライドを傷つけたなら謝るよ。だけど、俺はもうおまえに飽きた」

面白いほどに嘘が零れてきた。苺のように真っ赤な嘘が音となり冷たい空気を裂いていく。
腕時計をした手首に痛みが走り、身体がごつんと硬い壁に放り投げられた。
目を開ければ木村が笑っている。にやりと口の端を上げ、俺を見下ろしていた。
「最後は思いっきり激しくしてやるよ。そっちのが好きだろ?」
「木村、何言って・・・」
木村の唇が首筋を掠めて思わず心臓が鳴る。
「一生忘れられないようにしてやるから、せいぜい楽しめ」
俺の背中に敷かれたシーツを剥ぎ取ると木村はそれで俺の手を縛った。
抵抗をしてみてもベッドがギシギシと泣き喚くだけで押さえつける力から逃れることはできない。そのうち抵抗する体力も気力も失っていった。

今までどれだけ手加減をされていたのかを思い知らされた。
ひたすら官能にだけ忠実に道具のように乱雑に抱かれていると思っていたのは、到底木村が手を抜いた結果だったのだ。
青白い光に照らされた壁には小さな汚れがあった。
木村の去ったこの部屋に残されたのは、無音と錆びた身体だけだった。
壁の汚れを一点に見つめ、曲がらない指に力を入れて諦める。指先が木村の体温を思い出して震えた。

鼻がつんとして初めて、自分が泣いているということに気づいた。
重力に従って涙が縦に流れていく。
もう木村に会うことはないのだ。体温を感じることも。
思えば、木村の体温を感じる術は身体を重ねることだけだった。手を繋ぐことや抱きしめ合うことなど勿論なかった。
そんな愚かな幻想に憧れてしまったのは何故だろう。
木村の外見が美しかったからだろうか。
木村がくれる快感に溺れてしまっただけだろうか。
少なくとも木村が俺に対して同意の感情を抱くことはなかった。
それだけじゃないか。
始まりが始まりなら終わりも終わり。最初から決まっていたことなのだ。それが全うされただけなのだ。

「う・・・」
涙と一緒に落ちた声に気づかないフリをして目を閉じる。

それでも一度だけ。たった一度だけでいいから抱きしめてほしかった。
手を繋ぎたかった。
優しく微笑んでほしかった。

そう認めたら涙の勢いが増していくのがわかった。

ひとつ寝返りをうつと、見慣れた黒いジャケットがあった。きっと木村が忘れて置いていってしまったのだろう。それほど怒らせたということなのか。
考えると身体が余計に鉛のように重たかったが、上体を起こして木村の上着に手を伸ばす。
ころん、と何かが落ちる音がした。
埃に覆われた床を覗きこめば、さきほどの行為で自ら脱いだ衣類と、小さく煌めくリング状のものが転がっている。
俺はそれを手にして、すぐに指輪だと気がついた。その意図もなんとなく。
自惚れてはいけない。自惚れたっていいことはない。
だけど。俺は散乱していた服を身に纏いその場から走り出していた。



五分ほど走ったところにある歩道橋の上に木村は立っていた。ぼーっと月を眺めているようだった。
何故だか早くしないと消えてしまいそうな気がしたので焦って階段を大股で上った。
もうすぐそばに、木村の姿はあった。

「・・・・・わざと置いてった」
「へ・・・?」
まさか先手を打たれるとは思っていなかったので、うっかり声が裏返ってしまう。
「ジャケット。中居に渡したくて」
「ジャケットを・・・?」
「ちげぇよ。気づいたからここ来たんじゃねぇの?」
「あ・・・」
「指輪。ずっと前から渡そうと思ってたんだよ」
「あの俺は・・・」
「指輪なら受け取らねぇから。それはもうおまえにあげたもんだ。だから捨てるなり何なり好きにしろ」

真実を知った瞬間の何とも言えない感覚。天にも昇るような気持ちとは本当にあるんだ、と俺は思った。
まだふわふわと身体が浮いている。
緊張のせいか、なかなか言葉は見つからない。

「あの・・・ジャケットなくて・・・寒くなかった?」

言葉を探した挙句そう訊ねると、木村は一瞬ちらりと俺を見てそしてまた空の方に目を遣ってしまった。
でもその木村の顔が、笑っていたんだ。
月夜に照らされて夜風に覆われてまるで奇跡のような存在で、すごくすごく綺麗だった。

俺は堪らなくなって勢いよく木村に抱きついた。
木村は歩道橋に寄りかかったまま前を見ていたから、横から俺が縛り付けてるみたいな変な格好だったけど、木村の体温は火傷しそうに痛いほど感じることができた。
「・・・忘れてきちゃった、木村のジャケット」
俺が柄にもなく甘えた声でそう言えば、木村は俺の肩に腕を回した。
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